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・本日,司法試験の合格発表がありました。このようなことにあまりコメントしないのですが,あまりに衝撃的な結果だったので,少しコメントします。
・以下の法務省のHPにある「法科大学院等別合格者数等」を見て,愕然としました。 URL:http://www.moj.go.jp/content/001202510.pdf ・第1に,1頁目の「受験者」欄と隣の「短答式試験の合格に必要な成績を得た者(以下「択一合格者」という)」です。 最後まで見ると,予備試験合格者の択一合格率が,計算するまでもなく圧倒的であることがわかります。それに比べ,上位法科大学院でも択一合格率が低く,それ以下だと見るも無残な数字です。 法科大学院修了資格を付与して択一すら合格できないというのは,教育機関としておよそその体をなしていないといって過言ではないでしょう。 ・第2に,今回の予備試験合格者の本試験最終合格者235人のうち,法科大学院在学中が86人,大学在学中が69人で,予備試験合格者の中でも本試験の最終合格率が圧倒的に高いです。 優秀な法科大学院在学生が在学中に予備試験経由で最終合格するというのは,昔からあったわけですが,結局この155人は法科大学院を修了する必要のなかった人たちであり,この層が今回の最終合格者上位を占めている可能性が高いことを考えると,ますます法科大学院の意味がわからなくなりました。 ・第3に,今回の一番最後の頁に,「高校卒」の予備試験合格者の結果が載っています。 この方が高校卒業後すぐの受験だったかはわかりませんが,少なくとも大学には行っていない方で,予備試験経由で,本試験で択一に合格後最終合格できなかった方です。 おそらく論文の勉強が進んでいなかったと考えられますが,そんな方でも本試験の択一には合格しています。法科大学院の各校はこの事実を重く受け止め,択一合格すら十分にさせられないのに,修了認定していることの意味を真摯に検討してください。なお,専修学校または専門学校出身者の方は今年最終合格されています(その他枠参照)。 ・以上からいえることは,以下のとおりです。 ①法科大学院を修了している(修了できる学力を備えていると各法科大学院が判断した)ことは,合格率との絡みでは大きな意味はない。 ②反面,大学をいったん卒業し法科大学院に入学しない社会人の予備試験経由の最終合格者は,それほど多くはない。 ③今後,高校卒業後すぐに予備試験に合格し,本試験にも最終合格する最年少合格者が近い将来でてきそう。 ・完全に蛇足ですが,今年,予備試験合格者の方で本試験の択一合格をされた70歳以上の1名の方には敬意を表します。私はその年まで元気でいられる自信はまったくありません。 ※上記の意見・情報などの正確性等を保証するものではなく,お使いになる方の判断と責任で情報の取捨選択をお願いします。
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| 2016-09-06 23:02
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