とある弁護士のひとりごと

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カテゴリ:民事訴訟( 2 )


【民事執行】最高裁平成26年4月24日判決

【非免責債権該当性と執行文付与の訴え】
・最高裁平成26年4月24日第一小法廷判決
(事件番号:最高裁判所平成25年(受)第419号・執行文付与請求事件)
URL:http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?hanreiid=84146&hanreiKbn=02


【判示事項】
「免責許可の決定が確定した債務者に対し確定した破産債権を有する債権者が,当該破産債権が非免責債権に該当することを理由として,当該破産債権が記載された破産債権者表について執行文付与の訴えを提起することは許されないと解するのが相当である。」


※上記の意見・情報などの正確性等を保証するものではなく,お使いになる方の判断と責任で情報の取捨選択をお願いします。
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by lawinfo | 2014-04-25 23:21 | 民事訴訟

【文章提出命令】名古屋高裁平成25年5月7日決定

【文書提出命令】
・名古屋高裁平成25年5月27日民事第3部判決・長門栄吉裁判長
(事件番号:名古屋高等裁判所平成24年(ラ)第267号・文書提出命令申立却下決定に対する即時抗告事件)
URL:http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?hanreiid=83365&hanreiKbn=04


【事案の概要】
・PTSD治療に関する診療録等に対する文書提出命令について,患者である被告が本案訴訟において,陳述書等により,傷病名及び症状とその経過という一般的には知られていない事実を自ら開示している場合には,その限度で医師の黙秘義務は免除されたものというべきであるとして,診療録の一部について文書提出義務を肯定した事例


【主文】
「1 原決定を取り消す。
 2 本件を名古屋地方裁判所に差し戻す。」


【判示事項】
「抗告人は,本件は被告がPTSDの症状と病名を主張し,立証しようとしている事案であり,抗告人との関係でプライバシーを保護される地位を失っており,診療録等について医師の黙秘の義務を理由とする提出拒否には理由がない旨主張するので,同主張を本件診療録について被告が医師の黙秘の義務を免除しているとの趣旨の主張として,さらに検討する。
(ア)民事訴訟法197条1項2号が専門家の証言拒絶権を認めたのは,職業の性質に照らして他人の秘密を知る機会が多いことに照らし,専門家に秘密を開示した者の利益を保護するためである。
(イ)ところで,前記のとおり,抗告人が被告に対し,本件駐車場での出来事について不法行為を行っていないとして損害賠償債務の不存在確認等を求めて本訴を提起したのに対し,被告は,抗告人から不法行為を受けてPTSDに罹患し,相手方らの医療機関に通院している旨主張して争うのみならず,反訴を提起して,抗告人に対し,慰謝料等を請求し,反訴請求の請求原因及び本訴請求の抗弁として,抗告人の不法行為によって受けた傷害の傷病名及び症状とその経過について,詳細な主張し,同主張に沿う診断書を証拠として提出するとともに,傷病名及び症状とその経過について上記主張をより具体的かつ詳細に記載した被告の陳述書を証拠として提出していることが認められるから,被告は,上記陳述書に記載された傷病名及び症状とその経過という,一般に知られていない事実を自ら開示し,その限度で保護されるべき利益を放棄したものというべきである。
(ウ) そうすると,本件診療録の記載事項中,上記陳述書に記載された限度で,医師の黙秘の義務は免除されたものというべきである。」


【雑感】
・妥当な決定だと思います。原審は事なかれ主義の裁判官らしい何も考えていない判断だと思います。
・ただ,この原審の裁判官のような裁判官がむしろ主流であるのが現実です。本当にかなしい現実です。それにしてもこの名古屋高裁民事第3部は前部長の高田健一部長の時代から,よく思い切った判決をよく書く部だという印象があります。
・高田部長はこの名古屋高裁を最後に定年退官し,おそらく長門部長もそうなるでしょう。結局,こういう判決は定年間際の出世を意識しない裁判官にしかかけないというのが,今の最高裁の人事制度のおかしさを端的に表しているといえます。


※上記の判決・意見などの正確性等を保証するものではなく,お使いになる方の判断と責任で情報の取捨選択をお願いします。
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by lawinfo | 2013-06-27 23:31 | 民事訴訟