とある弁護士のひとりごと

とある弁護士のブログ。時事ネタや法律・判例情報・過払い訴訟の論点解説など
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カテゴリ:過払い訴訟論点( 35 )


【貸金業者の対応】旧武富士その後⑧

【貸金業者の対応】旧武富士その後⑧
・更生管財人のHPによると,旧武富士の最終弁済が決まり,平成28年9月から振込がなされるようです。
最終弁済率はおよそ0.9%で,対象者は90万人以上とのことです。

・詳しい説明は「最終(第2回)弁済に関するご質問」に記載されているようなので,関係のある方はご参照ください。
URL:http://tfk-corp.jp/pdf/160620.pdf


※上記の意見・情報などの正確性等を保証するものではなく,お使いになる方の判断と責任で情報の取捨選択をお願いします。
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by lawinfo | 2016-06-22 23:21 | 過払い訴訟論点

【過払い訴訟論点】最高裁平成27年9月15日判決

【特定調停の無効】
・最高裁平成27年9月15日第三小法廷判決
(事件番号:最高裁判所平成25年(受)第1989号・不当利得返還請求事件)
URL:http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=85318


【判示事項】
「特定調停手続は,支払不能に陥るおそれのある債務者等の経済的再生に資するため,債務者が負っている金銭債務に係る利害関係の調整を促進することを目的とするものであり,特定債務者の有する金銭債権の有無やその内容を確定等することを当然には予定していないといえる。本件調停における調停の目的は,A取引のうち特定の期間内に被上告人がAから借り受けた借受金等の債務であると文言上明記され,本件調停の調停条項である本件確認条項及び本件清算条項も,上記調停の目的を前提とするものであるといえる。したがって,上記各条項の対象である被上告人とAとの間の権利義務関係も,特定債務者である被上告人のAに対する上記借受金等の債務に限られ,A取引によって生ずる被上告人のAに対する過払金返還請求権等の債権はこれに含まれないと解するのが相当である。そして,本件確認条項は,上記借受金等の残債務として,上記特定の期間内の借受け及びこれに対する返済を利息制限法所定の制限利率に引き直して計算した残元利金を超えない金額の支払義務を確認する内容のものであって,それ自体が同法に違反するものとはいえない。また,本件清算条項に,A取引全体によって生ずる被上告人のAに対する過払金返還請求権等の債権を特に対象とする旨の文言はないから,これによって同債権が消滅等するとはいえない。以上によれば,本件確認条項及び本件清算条項を含む本件調停が,全体として公序良俗に反するものということはできない。」


【参考(事案の分析のために調停条項全文を掲載)】
1 申立人は,相手方に対し,本件借受金債務として,残元金42万8819円,未払利息金1万5648円の合計金44万4467円の支払義務があることを認める。
2 申立人は,相手方に対し,前項記載の合計金44万4467円の内金7467円を,本調停の席上で支払い,相手方はこれを受領した。
3 申立人は,相手方に対し,第1項記載の合計金44万4467円から前項記載の7467円を控除した残金43万7000円を,平成14年7月から平成16年5月まで(23回),毎月10日限り,1万9000円ずつ分割して,相手方名義の株式会社第四銀行古町支店の普通預金口座(口座番号1281511)に振り込む方法により支払う。
4 申立人が前項記載の分割金の支払いを怠り,その遅滞額が3万8000円に達したときは,申立人は当然に同項の期限の利益を失う。
5 申立人が前項により期限の利益を失った場合は,申立人は,相手方に対し,第3項記載の金員から既払額を控除した残金のほか,残元金の残金に対する期限の利益を喪失した日の翌日から支払済みまで年26.28パーセントの割合による遅延損害金を直ちに支払う。
6 申立人及び相手方は,本件に関し,本調停条項に定めるほか,申立人と相手方との間には他に何らの債権債務のないことを相互に確認する。
7 調停費用は各自の負担とする。



【雑感】
・公序良俗違反が最高裁で否定されることはこれまでいってきたとおりです。

・しかし,私は率直に謝らなければなりません。この判決は極めて重要な判決になりうる判決です。
・この判決を見た瞬間すごく違和感を感じました。それは思った以上に認容額が多かったことです。
それは,特定調停時まで発生していた過払金は清算条項が無効と判断されない限り,当然に消滅すると従来の裁判例ではされてきました。
 しかし,この判決は特定調停の趣旨から,清算条項が有効であるから即過払金が消滅するということにはならないと述べています。この趣旨から特定調停以外の裁判外の和解にも及ぶかどうかが,今後の焦点になっていくと思われます。

・本件で気をつけなければいけないのは,この第4項の該当部分の判示事項はあくまで傍論にすぎないとされる可能性があることです。
・最高裁判例の拘束力という憲法上の議論があり,判例の拘束力は判決主文の直接の理由となる判決理由中の確信部分(レイシオ・デシデンダイ)にしか及ばないとされています。
・今回はあくまで公序良俗違反か否かが最大の争点であるため,第4項の該当部分は傍論といわれても仕方がないでしょう。
・ただ,消費者側としては,特定調停または裁判外の和解の清算条項に「過払金」という文言がない限りは,清算条項の対象になっておらず,それまで発生した過払金は和解によって消滅していないといいやすくなったと考えられます。
・結局は清算条項があるから即負けではなく,清算条項を定めた当時の意思が問題にされるようになると思われます。

・最後に…,CFJ自爆しましたね。CFJとしては弁論が開かれ,ユニマット取引に関しては当然に全勝ちすると思っていたはずです。たしかに,勝つには勝ったわけですが,実質的には敗訴したといっていいでしょう。これだから最高裁への上告は怖い。

・業界から去りゆくCFJが他の貸金業者に嫌なお土産を残していった形です。


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by lawinfo | 2015-09-15 18:47 | 過払い訴訟論点

【過払い訴訟論点】特定調停最高裁判決

【特定調停最高裁判決】
・以前【本ブログ】で取り上げたこの争点についての続報です。

・判決日は平成27年9月15日午後1時30分のようです。

・結局,2つの和解の効力のうち,私があまりにもCFJのやり方がひどいといっていたアイクの調停外和解の方は上告理由とはしなかったようです。さすがに,上告代理人のOAM法律事務所もこれは無理だと判断したものと考えられます。その割に,分断と悪意はおまけの上告理由となっていますが…。これらは受理時点で排除されたようです。

・そして,私が唯一関心のあるといっていた和解無効の主張方法は上告理由になっていないので,この点についての最高裁の判断はされません。よって,何の興味もない判決がでます。

・おそらく判決が言い渡されると,「ああそうだよね。公序良俗違反で勝てれば誰も苦労しないよね。」という感想が各サイトで出るものと考えられます。


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by lawinfo | 2015-09-09 23:14 | 過払い訴訟論点

【過払い訴訟論点】特定調停最高裁弁論

【特定調停の無効についての最高裁弁論】
・最高裁が平成27年7月21日午後1時30分から,特定調停後の過払い請求について弁論を開くようです。
・CFJが高裁で負けた事案を上告した事件なので,判決が出れば借主側が逆転敗訴します。


【事案の概要】
・債務者は平成14年6月14日に,新潟簡易裁判所で,当時のユニマットライフとアイクとの間で特定調停をした。ユニマットライフとの間では債権債務なしの支払和解を,アイクとの間では債務が存在しないことを確認する内容だった。アイクは同日,債務者との間で調停外で5000円の残債務があることを確認し,これを同月21日限り支払う旨の和解契約書兼連帯保証契約書を締結した。CFJは,これにより債務者が過払金を放棄したと主張している。

・この事案では,ユニマットライフの特定調停の効力とアイクとの間の調停外合意の効力が問題となっていますが,アイクとの間の特定調停後の調停外合意はアイクのやり方があまりにひどく,債務なしの調停条項と完全に矛盾するもので無効だと考えられます(地裁・高裁ともアイクとの関係では一致)。

・問題はアイクの方ではなく,ユニマットライフとの間の清算条項ありの支払和解の特定調停の効力です。いずれの取引も調停時点では過払いが生じている事案です。


【下級審の判断】
・東京地裁平成25年2月28判決(佐々木清一裁判長)
 調停は公序良俗違反で無効。清算条項のみを有効と解するのは相当でないから,調停は全体として無効。

・東京高裁平成25年6月19日第15民事部判決(井上繁規裁判長)
 同じ理由


【雑感】
・これはひどい原々審・原審判決。こんなの誰が見てもひっくり返る判決。東京地裁・東京高裁でここまでひどい判決が出るとは驚きです。
・借主側を勝たせる理屈が,特定調停の意思表示規定の類推とかであればともかく,よりによって「公序良俗違反」とは…。ちなみに,一審では,原告代理人が要素の錯誤で無効との主張もしているようです。
・以上のようなことから,これでCFJが勝つのは当然で,しかも,もともと特定調停の無効が認められることはあまりなかったことから,最高裁判決が出てもそれほど影響はないと思われます。

・元調査官経験者の東京高裁部長の書く判決ではないでしょう。まあ,全体的に一審をなぞったやる気のない判決なので,興味のもてない事件だったのかもしれません。

・とまぁあまり最高裁の判決も興味がもてない事件ですが,実はまったく関係ない争点があり,その点の判断を最高裁として示すかについては注目しています。
 高裁でCFJが「調停無効を主張する方法について」を控訴理由にしており,調停無効を主張するには,調停無効の訴えを提起するか,続行期日の指定を求めなければならず,それがないから調停は有効だという主張をしています。
 これに対し,東京高裁は調停の合意内容が公序良俗に反する場合,別訴で調停の無効を再抗弁として主張することも許されると判断しています。
 この点をCFJが上告理由としたかは不明ですが,民事訴訟法のくだらない争点として,訴訟上の和解の無効を主張するには別訴提起説か期日指定申立説かという争いがあり,その点について最高裁がコメントするか否かが私の唯一の関心事です。


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by lawinfo | 2015-07-14 23:34 | 過払い訴訟論点

【貸金業者の対応】クロスシード破産手続開始決定⑦

【クロスシード破産手続開始決定⑦】
・最後配当がなされるそうです。
URL:http://www.crossceed-kanzai.jp/


・ずいぶん早かったですね。迅速に解決できてよかったとでもいうのでしょうか。
管財人2名・管財人代理8名について【ここ】でいろいろ書きましたが,これらが十分な仕事をしたか疑問が残ります。


・ぜひみなさんに覚えておいてほしいのが,管財人HPにあった以下の記載です。

Q20
クロスシード㈱の財産の状況を教えてもらいたいのですが。

A20
破産手続開始決定時から配当許可申請時までの破産財団の収入支出は次のとおりです。差引残高が配当をすることのできる金額(配当原資)になります。
収 入 金1,045,430,970円
支 出 金380,700,039円(今後の支出見込額を含む)
差引残高 金664,730,931円
URL:http://www.crossceed-kanzai.jp/qa.html

・管財人に引き継がれたのが約10億円。管財人が破産手続中に使ったお金及び管財人報酬の合計額は3億8000万円。配当に回されたのが6億6000万円。
破産管財人室のトップページには,配当率は「一般破産債権に対する配当率 確定債権額に対して 2.1519%」と記載されています。

・このうち管財人報酬は債権者集会では必ずいうことになっているので,知っている方はぜひご自身のHP等で公開をお願いします。

・他の消費者金融の破産事件では破産管財人が努力し,破産財団の増殖に努力しかなりの配当金を獲得しています。他の事件と比べてこのクロスシードはいろいろ疑問のある行動をとっていて,破産管財人等がその代表者等への責任追及などを十分にしたのか極めて疑問です。
・管財人代理を8人もつける必要があったのか,その管財人代理が十分な仕事をしたのか,それらに対する大阪地裁破産部が十分な監督をしてきたのか等について,弁護士会の消費者委員会は十分な検証をすべきではないでしょうか。

・これらの不十分な対応が第2の消費者被害をうんでいなければいいのですが…。


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by lawinfo | 2015-06-10 23:52 | 過払い訴訟論点

【過払い訴訟論点】最高裁平成27年6月1日判決

【CFJ債権譲渡と異議なき承諾】
・最高裁平成27年6月1日第二小法廷判決
(事件番号:最高裁判所平成26年(受)第1817号・不当利得返還請求事件)
URL:http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=85133


【争点】
・マルフク・タイヘイからCFJに貸金債権が譲渡された際に,債務者が約定残高の記載がされた書面に異議なき承諾をした(債務者の署名あり)。この場合,譲渡された貸金残高は約定残高か,引き直し計算された額か。


【判示事項】
「民法468条1項前段は,債務者が異議をとどめないで指名債権譲渡の承諾をしたときは,譲渡人に対抗することができた事由があっても,これをもって譲受人に対抗することができないとするところ,その趣旨は,譲受人の利益を保護し,一般債権取引の安全を保障することにある(最高裁昭和42年(オ)第186号同年10月27日第二小法廷判決・民集21巻8号2161頁参照)。そうすると,譲受人において上記事由の存在を知らなかったとしても,このことに過失がある場合には,譲受人の利益を保護しなければならない必要性は低いというべきである。実質的にみても,同項前段は,債務者の単なる承諾のみによって,譲渡人に対抗することができた事由をもって譲受人に対抗することができなくなるという重大な効果を生じさせるものであり,譲受人が通常の注意を払えば上記事由の存在を知り得たという場合にまで上記効果を生じさせるというのは,両当事者間の均衡を欠くものといわざるを得ない。
 したがって,債務者が異議をとどめないで指名債権譲渡の承諾をした場合において,譲渡人に対抗することができた事由の存在を譲受人が知らなかったとしても,このことについて譲受人に過失があるときには,債務者は,当該事由をもって譲受人に対抗することができると解するのが相当である」


【雑感】
・この事件はCFJが高裁で勝った事件ですが,高裁でCFJが負けた方も上告されており(上告棄却・事件番号:最高裁判所平成26年(受)第2344号),最高裁が判断を統一するために,弁論を開いていました。
・この事件はCFJが異議なき承諾を書面でとっていて訴訟になればその書面が出てきたことから,一時期CFJが有利でした。しかし,何年か前から高裁でCFJが立て続けに負けたくらいから流れが明らかに変わり,近時はCFJの負けの流れが固まっていたことから,CFJが最高裁で負けることは予想されていました。

・民法に関する話としては,異議なき承諾をしても,譲受人が悪意又は重過失があれば対抗できるというのが一般的でしたが,本判例で譲受人に過失があれば対抗できると判示していることから,結構重要な判例になるかもしれません。


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by lawinfo | 2015-06-01 23:24 | 過払い訴訟論点

【過払い訴訟論点】最高裁平成26年6月23日,24日弁論

【遅延損害金最高裁弁論②】

・最高裁判決は平成26年7月24日と7月29日に言い渡されるようです。

・現在,実務ではこの遅延損害金に関する議論でもちきりですが,今回の最高裁判決はあまり今の実務の議論にはそれほど関係ない点についての判断になるかもしれません。いわゆる信義則説・再度付与の議論はされない可能性があります。


【下級審判決】
・原審:仙台高裁平成24年10月10日判決・木下秀樹裁判長
 原々審:福島地裁会津若松支部平成24年3月7日判決・渡邉達之輔裁判官

・原審:名古屋高裁平成24年10月25日判決・長門栄吉裁判長
 原々審:名古屋地裁半田支部平成24年3月6日判決・内山真理子裁判官


【争点】
・争点はいずれも不動産担保証書貸付取引における遅延損害金の適用の可否です。
事案は2つの事例で異なりますが,簡単にいうと,約定支払日までに約定支払金額には届かないが,利息制限法に基づいて引き直しをした利限残の金額を借主は支払っていた場合に,期限の利益を喪失したといえるかです。なお,いずれの事案でも無担保リボルビング取引と不動産担保証書貸付取引の一連性が争われていましたが,最高裁平成24年9月11日判決により,この点は争点ではなくなっています。


【考え方】
・遅延損害金否定(仙台高裁平成24年10月10日判決)
「控訴人(※CFJ)の主張によれば,債務者が利息制限法によって引直し計算をした利息と元金に相当する金額を既に支払っていることを主張立証しているにもかかわらず,元金が残っている限りは,これに対する約定遅延損害金が発生することとなる。しかも,期限の利益喪失約定が文字どおり適用されれば,債務者は,当該遅滞した返済期日の分割金だけでなく,以後に支払うべき残金の全額についても直ちに期限の利益を喪失して支払義務を負い,これに対しても約定遅延損害金が付されることとなり兼ねない。債務者が上記のような主張立証をしているにもかかわらず,控訴人の主張を容れてこのような結果を容認することは,債務者に本来無効であるはずの利息制限法の制限額を超える約定利息の支払を事実上強制することになり,相当とはいい難い。

・遅延損害金肯定(CFJの主張)
①利息制限法が適用される場合にはその分元金への充当額が多くなるにすぎず,同時点での既払額は関係がないのであって,これによって債務者の次回の支払義務を免除するとか,次回弁済期における債務者の弁済についての先払としての効果を認めるものではない(仙台高裁における主張)。
②制限超過部分を含む利息の支払の場合には,支払期日に約定の元本及び利息の制限額を支払いさえすれば,期限の利益を喪失することはないから,この場合,期限の利益を喪失したか否かを判断するには,制限超過部分の元本充当状況を毎月計算し,制限利率に従って予定された償還表と対照して弁済期に支払うべき額に足りないことになったか否かを判断する作業が必要となるが,このようなことが必要となれば,金融実務に大混乱を生じさせることは明白である。
したがって,借主が定められた毎月の約定額を超えて支払をした場合に,貸主がその約定額を超えて支払った金員が前倒しで元本に充当されれば,その後の毎月の支払を怠ったとしても,前倒しによる支払いがあったことを理由に期限の利益は失われないと解するのは相当ではない(名古屋高裁における主張)。


【雑感】
・最高裁が弁論を開いたということは,上記遅延損害金肯定説の考え方に立ったということだと思われます。最高裁としては,遅延損害金が付されるか否かが引き直し計算してみないとわからないということになると,実務上混乱をきたすという価値判断から上記②の判断になったのだと思われます。最高裁らしい考え方と言えると思います。

・最高裁がどの程度踏み込んで判断するのかはまったくわかりません。ただ,「不動産担保証書貸付取引における約定金額に満たない利限残金を支払った場合の遅延損害金適用の可否」に限定されるのであれば,実務上あまり影響はでないと考えられます。
・これ以外の判断がされないのであれば,遅延損害金については,結論が異なる2つの最高裁平成21年9月11日判決が生きていることになり,結局,下級審が遅延損害金の適否についての個別的判断を今後もするしかないということになりそうです。できれば最高裁がもっと踏み込んだ判断をしてほしいものです。


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by lawinfo | 2014-06-26 23:34 | 過払い訴訟論点

【過払い訴訟論点】最高裁平成26年6月23日,24日弁論

【遅延損害金最高裁弁論①】
・最高裁が平成26年6月23日及び24日に遅延損害金が争点の弁論を開くようです。

・争点は同一で,上告人はいずれもCFJ合同会社です。

・原審の仙台高裁と名古屋高裁は借主側の主張を認め,遅延損害金を認めなかったので,遅延損害金を認める判断になると思われます。

・問題なのは,CFJ不動産担保取引特有の事情に基づく遅延損害金についての判断なのか,それとも他社にも関係のあるものなのかです。

・上記はただの推測で,いずれにしても最高裁判決を見るまではなんともいえません。


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by lawinfo | 2014-06-23 23:51 | 過払い訴訟論点

【過払い訴訟論点】最高裁6月弁論?

【遅延損害金】
・完全な再伝聞ですが,今一番争われている過払い訴訟の争点について,最高裁が6月に弁論を開くとの情報が流れています。

・どうやら遅延損害金が争点の事件のようです。仙台高裁と名古屋高裁が原審の事件で,CFJが上告したとのことなので,消費者側にとって不利な判断がなされる可能性があります。

・今のところ,詳細はまったく不明で,このような情報があるというレベルです。


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by lawinfo | 2014-05-01 23:42 | 過払い訴訟論点

【過払い訴訟論点】司法書士の本人支援の適否

【過払い訴訟における司法書士の本人支援の適否】
・富山地裁平成25年9月10日判決・判時2206号111頁(髙嶋卓裁判長)
(事件番号:富山地方裁判所平成24年(ワ)第86号・不当利得返還請求事件)


【事案の概要】
・司法書士が本人支援として過払い債権者から過払金返還請求訴訟の追行を事実上依頼された事例。


【主文】
「本件訴えを却下する。
 訴訟費用は原告の負担とする。」


【雑感】
・司法書士の行為が弁護士法72条に違反し,訴訟行為の一切は無効。依頼者本人の追認によっても有効とはならないという判決です。
・司法書士の本人支援はいろいろ議論がありますが,ここまで明確に否定したものは珍しいです。
・本人の追認が有効とならないというのはそれでいいと思いますが,却下に先立ち民事訴訟法34条1項の補正を命ずる必要はないとの判示は,依頼者本人の利益を考えるとこれはやってもいいのかなと思います。
・この事件はこの判決で確定しているようであり,この司法書士の説明義務違反が問われる可能性があります。少なくとも,本判決が公刊物に掲載された日以降は,司法書士の本人支援は却下される可能性があることを依頼者本人に説明しておかないと,司法書士の説明義務違反に問われる可能性はあるといえます。
・ただし,この判決の事実認定によると,依頼者がこの司法書士に自らの印鑑を預け,司法書士が勝手にその印鑑を使い書面を作成・提出していたという事情を強く考慮したといえるため,他の司法書士支援事案にも拡げて適用があるかは判然としません。


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by lawinfo | 2014-02-26 23:49 | 過払い訴訟論点