とある弁護士のひとりごと

とある弁護士のブログ。時事ネタや法律・判例情報・過払い訴訟の論点解説など
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【更生計画認可決定後の供託金還付請求権】最高裁平成25年4月26日決定

 【更生計画認可決定後の供託金還付請求権】
・最高裁平成25年4月26日第二小法廷決定
(事件番号:最高裁判所平成24年(許)第15号・担保取消決定に対する抗告棄却決定に対する許可抗告事件)
URL:http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?hanreiid=83225&hanreiKbn=02


【事案の概要】
①過払い債権者が武富士に,平成21年9月30日に訴訟を提起し,平成22年2月19日,過払い債権者勝訴の仮執行宣言付判決を取得した。
②武富士は,平成22年3月8日,控訴をするとともに強制執行停止の申立てをし,裁判所は武富士に700万円の担保を立てさせてこれを認めた。
③東京地裁は,平成22年10月31日,武富士につき更生手続開始決定をし,更生管財人を選任した。
④過払い債権者は,武富士の更生手続の中で,不当利得返還請求権を更生債権として届け出たが,本件担保の被担保債権である損害賠償請求権については,更生債権・更生担保権としても届出をしなかった。
⑤東京地裁は,平成23年10月31日,武富士につき更生計画の認可決定をした。
これにより,上記損害賠償請求権は失権した。
⑥更生会社株式会社武富士は,平成24年3月1日,更生会社TFK株式会社に商号変更をした。
⑦更生会社TFK株式会社更生管財人は②の担保取消しの申立てをした。
⑧原々審は本件担保取消し申立てを認容し,原審は抗告を棄却した。
⑨最高裁は原決定を破棄し,原々決定を取り消したうえで,更生会社TFK株式会社更生管財人の担保取消しの申立てを却下した。


【判示事項】
「仮執行宣言付判決に対する上訴に伴い,金銭を供託する方法により担保を立てさせて強制執行の停止がされた後に,債務者につき更生手続開始の決定がされた場合,その被担保債権である損害賠償請求権は,更生担保権ではなく,更生債権に当たるというべきである。」
「仮執行宣言付判決に対する上訴に伴う強制執行の停止に当たって金銭を供託する方法により担保が立てられた場合,被供託者は,債務者につき更生計画認可の決定がされても,会社更生法203条2項にいう「更生会社と共に債務を負担する者に対して有する権利」として,供託金の還付請求権を行使することができると解するのが相当である。 このように解さなければ,仮に被供託者が被担保債権につき更生債権として届出をした場合であっても,上記被担保債権が更生計画認可の決定によって更生計画の定めに従い変更されるのに伴い,供託金の還付請求権もその影響を受けるものと解さざるを得ないが,この解釈は被供託者の利益を著しく損なうものであって,採り得ないというべきである。」


【雑感】
・私も一審勝訴後控訴審中に武富士にとばれて悔しい思いをした件が複数あります。
私は損害賠償請求権を更生担保権として届出し,東京地裁に査定の申立てもしていましたが,東京地裁は1年半以上放置しています。今回の最高裁決定でようやく動き出しそうです。
・今後は,更生管財人を被告として,供託金の還付請求権を有することの確認を求める訴えを提起し,これを認容する確定判決が出れば,判決謄本を供託規則24条1項1号所定の書面として供託物払渡請求書に添付して,供託金の還付を請求していくことになります。


※上記の判決・意見などの正確性等を保証するものではなく,お使いになる方の判断と責任で情報の取捨選択をお願いします。
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by lawinfo | 2013-04-30 23:51 | 最高裁

【貸金業者の対応】NISグループ配当手続へ②

【NISグループ配当手続へ】
・NISグループが予定どおり,5月下旬から6月上旬に配当を実施するようです。
URL:http://www.nisgroup.jp/


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by lawinfo | 2013-04-27 23:44 | 貸金業者の対応

【刑事事件】高知地裁平成25年4月18日無罪判決

【恐喝未遂無罪判決】
・高知地裁平成平成25年4月18日判決・平出喜一裁判長
(事件番号:高地地方裁判所平成24年(わ)第226号・ 恐喝未遂被告事件)
URL:http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?hanreiid=83216&hanreiKbn=04


【求刑(検察官:野崎高志)】
・被告人A(指定暴力団の会長補佐):懲役3年
 被告人B(病院の院長):懲役3年6月
 被告人C(建設業の会社社長):懲役2年6月


【主文】
・被告人らはいずれも無罪。


【雑感】
・ヤクザが関与した恐喝事件での珍しい無罪判決。検察のメンツは丸つぶれでしょう。


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by lawinfo | 2013-04-25 23:43 | 刑事事件

【刑事事件】最高裁平成25年4月16日決定

【裁判員裁判高裁無罪破棄事件に対する最高裁決定】
・最高裁平成25年4月16日第三小法廷決定
(事件番号:最高裁判所平成24年(あ)第167号・覚せい剤取締法違反,関税法違反被告事件)
URL:http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?hanreiid=83198&hanreiKbn=02


【事件経過】
・1審裁判員裁判:無罪
・2審裁判官裁判:逆転有罪
・最高裁:被告人の上告棄却


【最高裁判示事項】
「被告人が犯罪組織関係者の指示を受けて日本に入国し,覚せい剤が隠匿された輸入貨物を受け取ったという本件において,被告人は,輸入貨物に覚せい剤が隠匿されている可能性を認識しながら,犯罪組織関係者から輸入貨物の受取を依頼され,これを引き受け,覚せい剤輸入における重要な行為をして,これに加担することになったということができるのであるから,犯罪組織関係者と共同して覚せい剤を輸入するという意思を暗黙のうちに通じ合っていたものと推認されるのであって,特段の事情がない限り,覚せい剤輸入の故意だけでなく共謀をも認定するのが相当である。原判決は,これと同旨を具体的に述べて暗黙の了解を推認した上,本件においては,上記の趣旨での特段の事情が認められず,むしろ覚せい剤輸入についての暗黙の了解があったことを裏付けるような両者の信頼関係に係る事情がみられるにもかかわらず,第1審判決が共謀の成立を否定したのは不合理であると判断したもので,その判断は正当として是認できる」


【雑感】
・「共謀」という法律概念を裁判員が理解できるかが問題となった事案です。
・裁判員裁判の1審無罪判決に対する高裁逆転有罪判決を最高裁として初めて是認した事件です。
 最高裁としても,近時の覚せい剤事案に裁判員裁判の無罪判決が多く出ていることから,一定のはどめをかけようとしたのではないかと思います。
・この最高裁決定により,裁判員裁判を担当する1審裁判官としては無罪判決を出すと結局破棄され,自分の出世にかかわりかねないことを危惧して今後裁判員を強引に説得して無罪判決を出さないようにする強引な訴訟指揮が懸念されます(最高裁としてはこれが事実上の狙いかもしれませんが…)。


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by lawinfo | 2013-04-18 23:52 | 刑事事件

【最高裁】吐物の誤嚥の傷害保険普通保険約款における「外来の事故」該当性

【吐物の誤嚥の傷害保険普通保険約款における「外来の事故」該当性】
・最高裁平成25年4月16日第三小法廷判決
(事件番号:最高裁判所平成23年(受)第1043号・傷害保険金等請求事件)
URL:http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?hanreiid=83190&hanreiKbn=02


【判示事項】
「誤嚥は,嚥下した物が食道にではなく気管に入ることをいうのであり,身体の外部からの作用を当然に伴っているのであって,その作用によるものというべきであるから,本件約款にいう外来の事故に該当すると解することが相当である。この理は,誤嚥による気道閉塞を生じさせた物がもともと被保険者の胃の内容物であった吐物であるとしても,同様である。」



【雑感】
・本判決は,「本件保険契約における保険金の支払事由である外来の事故は,外部からの作用が直接の原因となって生じた事故をいい,薬物,アルコール,ウイルス,細菌等が外部から体内に摂取され,又は侵入し,これによって生じた身体の異変や不調によって生じた事故を含まない」とした大阪高裁平成23年2月23日判決(事件番号:大阪高等裁判所平成22年(ネ)第3097号)を破棄した最高裁判決です。
・原審の判断は,裁判所にありがちな杓子定規な文言解釈をしたもので,最高裁の判断は至極まっとうな判断だと思います。


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by lawinfo | 2013-04-16 23:54 | 最高裁

【過払い論点】新生フィナンシャル未開示履歴②

【新生フィナンシャル未開示履歴②】
・この問題で,新生フィナンシャルの代理人弁護士に話を聞いたところ,以下のもののうち,②については多くの借主に対し,開示ができそうだとのことでした。
①一部のお客様の1993年9月以前のお取引に係る取引日及び貸付額・入金額のデータ
②一部のお客様の1990年1月から1993年9月までのお取引に関する参考データ

・そして,②は「参考データ」と記載がありますが,未開示期間中の月毎の借入れ及び返済の合計額が載っているそうなので,これを使えばほぼ事実に近い推定が可能になるだろうとのことでした。

・上記のとおりであるとすると,新生フィナンシャルの案件で3年9か月の未開期間示がなくなるようなものなので,開示をまって和解すべきでしょう。
 逆に,未開示期間中に,長期の中断期間または推定以上の借入残高があって,かえって金額が減る事案もでてくるかもしれませんが…。


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by lawinfo | 2013-04-11 23:13 | 過払い訴訟論点

【過払い論点】過払利息の充当方法(横とばし計算)に関する最高裁平成25年4月11日判決

【過払利息の充当方法(横とばし計算)】
・最高裁平成25年4月11日第一小法廷判決
(最高裁判所平成22年(受)第1983号・不当利得返還請求事件)
URL:http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?hanreiid=83181&hanreiKbn=02


【判示事項】
「継続的な金銭消費貸借取引に係る基本契約が過払金充当合意を含むものである場合においては,過払金について発生した法定利息の充当につき別段の合意があると評価できるような特段の事情がない限り,まず当該法定利息を新たな借入金債務に充当し,次いで過払金を新たな借入金債務の残額に充当すべきものと解するのが相当である。」


【雑感】
・ほぼ終わっている議論だったので,実務上の影響はほとんどないですね。
今後は,「利息の充当につき特段の事情」などないと否認しておけば足りるでしょう。


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by lawinfo | 2013-04-11 23:00 | 過払い訴訟論点

【貸金業者の対応】更生会社TFK株式会社の訴訟状況

【更生会社TFK株式会社の訴訟状況】
・更生管財人が旧武富士の株主9名(個人株主3名と関連会社6社)に対して起こしていた配当金返還請求訴訟で,平成25年3月28日,東京地裁は原告の請求をいずれも棄却しました。

・その後,管財人は控訴する方針を固めたようです。
URL:http://www.tfk-corp.jp/pdf/130405.pdf

・控訴審で覆る可能性が十分とはいえない控訴ですので,管財人はこの訴訟提起及び控訴の責任をしっかりとってもらう必要があります。
 本件の訴額である129億4600万円の印紙代は膨大な額になるので,一部請求をすべきだったのではないかも今後問題となってくるでしょう。

・管財人は最低限,各訴訟の印紙代などの費用をしっかりHP上に明示すべきでしょう。


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by lawinfo | 2013-04-08 23:49 | 貸金業者の対応

【過払い論点】新生フィナンシャル未開示履歴①

【新生フィナンシャル未開示履歴】
・新生フィナンシャルの未開示履歴について,新たに発見されたデータがあるとのことです。
URL:http://shinseifinancial.co.jp/company/aboutus/press/2013/130329.asp
①一部のお客様の1993年9月以前のお取引に係る取引日及び貸付額・入金額のデータ
②一部のお客様の1990年1月から1993年9月までのお取引に関する参考データ


・探すのに2年間もかかったそうです…。

・とりあえず,上記データは5月末に対応していくようなので,途中開示案件の和解は一時中断した方がいいですね。


※上記の情報・意見などの正確性等を保証するものではなく,お使いになる方の判断と責任で情報の取捨選択をお願いします。
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by lawinfo | 2013-04-05 23:46 | 過払い訴訟論点

【家事事件】最高裁平成25年3月28日第一小法廷決定

【面会交流許可の審判に基づき間接強制決定をすることができる場合】
・最高裁平成25年3月28日第一小法廷決定
(事件番号:最高裁判所平成24年(許)第48号・ 間接強制に対する執行抗告棄却決定に対する許可抗告事件)
URL:http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?hanreiid=83152&hanreiKbn=02


【決定要旨】
「監護親に対し非監護親が子と面会交流をすることを許さなければならないと命ずる審判において,面会交流の日時又は頻度,各回の面会交流時間の長さ,子の引渡しの方法等が具体的に定められているなど監護親がすべき給付の特定に欠けるところがないといえる場合は,上記審判に基づき監護親に対し間接強制決定をすることができると解するのが相当である。
そして,子の面会交流に係る審判は,子の心情等を踏まえた上でされているといえる。したがって,監護親に対し非監護親が子と面会交流をすることを許さなければならないと命ずる審判がされた場合,子が非監護親との面会交流を拒絶する意思を示していることは,これをもって,上記審判時とは異なる状況が生じたといえるときは上記審判に係る面会交流を禁止し,又は面会交流についての新たな条項を定めるための調停や審判を申し立てる理由となり得ることなどは格別,上記審判に基づく間接強制決定をすることを妨げる理由となるものではない。」


【最高裁によって間接強制が認められるとされた具体例】
「①面会交流の日程等について,月1回,毎月第2土曜日の午前10時から午後4時までとし,場所は,長女の福祉を考慮して相手方自宅以外の相手方が定めた場所とすること,② 面会交流の方法として,長女の受渡場所は,抗告人自宅以外の場所とし,当事者間で協議して定めるが,協議が調わないときは,JR甲駅東口改札付近とすること,抗告人は,面会交流開始時に,受渡場所において長女を相手方に引き渡し,相手方は,面会交流終了時に,受渡場所において長女を抗告人に引き渡すこと,抗告人は,長女を引き渡す場面のほかは,相手方と長女の面会交流には立ち会わないこと,③ 長女の病気などやむを得ない事情により上記①の日程で面会交流を実施できない場合は,相手方と抗告人は,長女の福祉を考慮して代替日を決めること,④ 抗告人は,相手方が長女の入学式,卒業式,運動会等の学校行事(父兄参観日を除く。)に参列することを妨げてはならない」


【解説】
・離婚の増加に伴い,子の面会交流の事件もどんどん増えていくと思われます。
上記事件とは別に最高裁HPに同時に2事件,間接強制が許されない事件がアップされました。
最高裁としては,特定によって間接強制ができる事案とできない事案をしっかり区別して対応するように下級審へ説示しているものと考えられます。
・弁護士としては間接強制できる以下の書き方を調停条項を作成する際に,しっかり意識して条項を作成しないといけないと思います。


【最高裁が間接強制が認められないとした2事件】
・最高裁判所平成24年(許)第41号
URL:http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?hanreiid=83151&hanreiKbn=02
(理由)長男及び二男の引渡しの方法については何ら定められてはいない
・最高裁判所平成24年(許)第47号
URL:http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?hanreiid=83153&hanreiKbn=02
(理由)本件調停調書は,抗告人と長男と
の面会交流の大枠を定め,その具体的な内容は,抗告人と相手方との協議で定めることを予定しているものといえる。そうすると,本件調停調書においては,相手方がすべき給付が十分に特定されているとはいえない


※上記の判決・意見などの正確性等を保証するものではなく,お使いになる方の判断と責任で情報の取捨選択をお願いします。
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by lawinfo | 2013-04-03 23:17 | 家事事件