とある弁護士のひとりごと

とある弁護士のブログ。時事ネタや法律・判例情報・過払い訴訟の論点解説など
by lawinfo
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30

<   2013年 11月 ( 4 )   > この月の画像一覧


【遺産分割と共有地】最高裁平成25年11月29日判決

【遺産共有持分と他の共有部分の共有関係の解消方法と価格賠償金の保管義務】
・最高裁平成25年11月29日第二小法廷判決
(事件番号:最高裁判所平成22年(受)第2355号・ 共有物分割等請求事件)
URL:http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?hanreiid=83773&hanreiKbn=02


【判示事項】
「共有物について,遺産分割前の遺産共有の状態にある共有持分(以下「遺産共有持分」といい,これを有する者を「遺産共有持分権者」という。)と他の共有持分とが併存する場合,共有者(遺産共有持分権者を含む。)が遺産共有持分と他の共有持分との間の共有関係の解消を求める方法として裁判上採るべき手続は民法258条に基づく共有物分割訴訟であり,共有物分割の判決によって遺産共有持分権者に分与された財産は遺産分割の対象となり,この財産の共有関係の解消については同法907条に基づく遺産分割によるべきものと解するのが相当である(最高裁昭和47年(オ)第121号同50年11月7日第二小法廷判決・民集29巻10号1525頁参照)。
 そうすると,遺産共有持分と他の共有持分とが併存する共有物について,遺産共有持分を他の共有持分を有する者に取得させ,その者に遺産共有持分の価格を賠償させる方法による分割の判決がされた場合には,遺産共有持分権者に支払われる賠償金は,遺産分割によりその帰属が確定されるべきものであるから,賠償金の支払を受けた遺産共有持分権者は,これをその時点で確定的に取得するものではなく,遺産分割がされるまでの間これを保管する義務を負うというべきである。」


【雑感】
・今後一層増えると予想されている遺産分割の諸問題のうち,本判決は共有地の分割に関する最高裁の判断。


※上記の意見・情報などの正確性等を保証するものではなく,お使いになる方の判断で情報の取捨選択をお願いします。
[PR]

by lawinfo | 2013-11-29 23:12 | 最高裁

【一票の格差】最高裁平成25年11月20日大法廷判決

【平成24年衆議院議員選挙無効確認訴訟】
・最高裁平成25年11月20日大法廷判決・竹﨑博允裁判長
(事件番号:最高裁判所平成25年(行ツ)第226号・ 選挙無効請求事件
 原審:広島高等裁判所岡山支部平成25年3月26日判決)
URL:http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?hanreiid=83744&hanreiKbn=02


【判示事項】
「0増5減による定数配分の見直しの内容を現に実施し得るものとするためには,1人別枠方式の廃止及び定数配分と区割り改定の枠組みを定める法改正の後,新たな区割基準に従い区画審が選挙区割りの改定案の勧告を行い,これに基づいて新たな選挙区割りを定める法改正を行うという二段階の法改正を含む作業を経る必要があったところ,前者の改正を内容とする平成24年改正法が成立した時点で衆議院が解散されたため,平成23年大法廷判決の言渡しから約1年9か月後に施行された本件選挙は従前の定数と選挙区割りの下において施行せざるを得なかったことは前記のとおりであるが,本件選挙前に成立した平成24年改正法の定めた枠組みに基づき,本来の任期満了時までに,区画審の改定案の勧告を経て平成25年改正法が成立し,定数配分の上記0増5減の措置が行われ,平成22年国勢調査の結果に基づく選挙区間の人口較差を2倍未満に抑える選挙区割りの改定が実現されたところである。このように,平成21年選挙に関する平成23年大法廷判決を受けて,立法府における是正のための取組が行われ,本件選挙前の時点において是正の実現に向けた一定の前進と評価し得る法改正が成立に至っていたものということができる

 本件選挙時において,本件区割規定の定める本件選挙区割りは,前回の平成21年選挙時と同様に憲法の投票価値の平等の要求に反する状態にあったものではあるが,憲法上要求される合理的期間内における是正がされなかったとはいえず,本件区割規定が憲法14条1項等の憲法の規定に違反するものということはできない。
 投票価値の平等は憲法上の要請であり,1人別枠方式の構造的な問題は最終的に解決されているとはいえないことは前記のとおりであって,国会においては,今後も,新区画審設置法3条の趣旨に沿った選挙制度の整備に向けた取組が着実に続けられていく必要があるというべきである。」


【雑感】
・誰もが予想した判決で特に読む価値もないでしょう。
最後の説示も何の意味もないですね。一応最高裁として,国会に対し意思表示をしましたという体裁を取っただけですね。
・憲政史上初めての選挙無効判決が高裁レベルで2件出たわけですが,今後は全く出なくなるんでしょうね。


※上記の意見・情報などの正確性等を保証するものではなく,お使いになる方の判断で情報の取捨選択をお願いします。
[PR]

by lawinfo | 2013-11-20 19:00 | 最高裁

【貸金業者の対応】武富士旧役員責任追及訴訟等のその後⑥

【武富士旧役員責任追及訴訟等のその後⑥】
・武富士の処理をしている更生会社TFK株式会社のHPが更新されていました。
URL:http://www.tfk-corp.jp/news.html

・東京地裁が平成25年10月30日の判決で更生会社TFK株式会社管財人の請求を棄却した件について,更生管財人は,平成25年11月12日控訴したようです。


【請求内容】
・事件名:更正すべき理由がない旨の通知処分の取消等請求事件
 請求金額:2374億6470万6270円
 被告:国
 請求の理由:武富士は制限超過利息を税務上の益金として法人税を支払ってきたが,制限超過利息が無効であることが確定したため,その分の法人税の還付を受けるべく,税務署に対し,国税通則法23条2項1項に基づき更正の請求をした。
 ところが,税務署から上記更正請求に理由がない旨の通知処分を受け,更生会社は国税不服審判所に審査請求を申し立てていたが,3か月が経過したため,通知処分の取り消しを求めて訴訟提起した。


【雑感】
・控訴してもどうにもなりそうにない事案ですが,更生管財人は控訴費用を使った以上,少しでも金銭を獲得すべき責任を負いました。相手が国なので和解は難しそうですが…。


※上記の意見・情報などの正確性等を保証するものではなく,お使いになる方の判断で情報の取捨選択をお願いします。
[PR]

by lawinfo | 2013-11-14 23:04 | 貸金業者の対応

【無罪判決】千葉地裁平成25年10月8日判決

【 睡眠時無呼吸症候群と自動車事故】
・千葉地裁平成25年10月8日刑事第3部判決・出口博章裁判長
(事件番号:千葉地方裁判所平成23年(わ)第1722号・ 自動車運転過失傷害被告事件)
URL:http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?hanreiid=83728&hanreiKbn=04


【争点】
・被害者受傷状況一覧表記載のとおり,Gほか5名に対し,同表記載の各傷害をそれぞれ負わせたことは,当事者間に争いはない。
・被告人は,本件事故当時,睡眠時無呼吸症候群に罹患していたところ,本件事故直前,上記疾患により予兆なく急激に睡眠状態に陥った。その結果,前方注視ができないまま,車を発進させて交差点内に進入させ,本件事故を起こした。被告人には本件事故当時,予備的公訴事実の注意義務の現実的な履行可能性がなかったから,過失はなく,被告人は無罪であると弁護人は主張した。


【主文】
・被告人は無罪。


【判示事項】
「一般に過失犯において被告人に当該結果発生の回避措置をとるべき注意義務(結果回避義務)が認められるためには,当該注意義務が現実的に被告人において履行可能なものであること(注意義務の現実性)が必要である。
 本件においては,被告人が本件事故当時,睡眠時無呼吸症候群を原因として予兆なく急激に睡眠状態に陥り,対面信号機の信号表示に留意する義務を履行することができない状態に陥っていたとの合理的疑いを払拭することができない。したがって,被告人に前記義務違反の過失を認めることはできない。
 以上によれば,被告人に予備的公訴事実にある対面信号機の信号表示に留意する義務を課すことには合理的疑いの余地が残るといわざるを得ない。したがって,被告人には本件自動車運転過失傷害罪の成立を認めることができない。」


【雑感】
・被害者6名という重大事故を起こしたことと,事故原因が病気という難しい事件。いろいろ考えさせられます。


※上記の意見・情報などの正確性等を保証するものではなく,お使いになる方の判断で情報の取捨選択をお願いします。
[PR]

by lawinfo | 2013-11-13 23:35 | 刑事事件