とある弁護士のひとりごと

とある弁護士のブログ。時事ネタや法律・判例情報・過払い訴訟の論点解説など
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【最高裁】最高裁平成27年2月24日決定

【最高裁訴訟終了宣言に対する不服申立て】
・最高裁平成27年2月24日第二小法廷決定
(事件番号:最高裁判所平成27年(す)第109号・訴訟終了宣言の決定に対する不服申立て事件)
URL:http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=84885


【決定要旨】
「本件は,申立人の上告取下げに伴い当裁判所がした訴訟終了宣言の決定に対する不服申立てであるところ,終審である最高裁判所がした訴訟終了宣言の決定に対しては不服申立てをすることが許されないから,本件申立ては不適法である。」


【雑感】
・なにより驚いたことは,原審裁判所名に最高裁判所と記載されたことです。最高裁でもあまり例はないのではないでしょうか。
・よく,上告不受理になったときは三行しか理由付けがなされないことから,「三行決定」といわれますが,この事件は別の意味で三行決定ですね。
・最高裁としてもこのような明らかな決定をHPに掲載する必要もないのに掲載したのは,今後同じことをすることがないようにという見せしめでしょうか。


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by lawinfo | 2015-02-28 23:22 | 最高裁

【セクハラ懲戒処分】最高裁平成27年2月26日判決

【セクハラによる懲戒処分の妥当性】
・最高裁平成27年2月26日第一小法廷判決
(事件番号:最高裁判所平成26年(受)第1310号・懲戒処分無効確認等請求事件)
URL:http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=84883


【事案の概要】
・大阪市港区の第三セクターの水族館が複数の女性従業員に対してセクハラ等をしたことを男性従業員に対し,出勤停止処分にするとともに,下位の等級に降格処分にした。これに対し,男性従業員は,上記各出勤停止処分は懲戒事由の事実を欠き又は懲戒権を濫用したものとして無効であり,上記各降格もまた無効であるなどと主張して,上記各出勤停止処分の無効確認や上記各降格前の等級を有する地位にあることの確認等を求めた事案。
・1審大阪地裁は男性従業員の主張を認めなかったが,二審大阪高裁は男性従業員の主張を認め,各出勤停止処分の無効確認請求や各降格前の等級を有する地位にあることの確認請求等を認容した。これに対し,水族館が上告。


【主文】
「原判決中上告人敗訴部分を破棄する。
 前項の部分につき,被上告人らの控訴を棄却する。
 控訴費用及び上告費用は被上告人らの負担とする。」


【判示事項】
「(2) 原審は,被上告人らが従業員Aから明白な拒否の姿勢を示されておらず,本件各行為のような言動も同人から許されていると誤信していたなどとして,これらを被上告人らに有利な事情としてしんしゃくするが,職場におけるセクハラ行為については,被害者が内心でこれに著しい不快感や嫌悪感等を抱きながらも,職場の人間関係の悪化等を懸念して,加害者に対する抗議や抵抗ないし会社に対する被害の申告を差し控えたりちゅうちょしたりすることが少なくないと考えられることや,上記(1)のような本件各行為の内容等に照らせば,仮に上記のような事情があったとしても,そのことをもって被上告人らに有利にしんしゃくすることは相当ではないというべきである。
 また,原審は,被上告人らが懲戒を受ける前にセクハラに対する懲戒に関する上告人の具体的な方針を認識する機会がなく,事前に上告人から警告や注意等を受けていなかったなどとして,これらも被上告人らに有利な事情としてしんしゃくするが,上告人の管理職である被上告人らにおいて,セクハラの防止やこれに対する懲戒等に関する上記(1)のような上告人の方針や取組を当然に認識すべきであったといえることに加え,従業員Aらが上告人に対して被害の申告に及ぶまで1年余にわたり被上告人らが本件各行為を継続していたことや,本件各行為の多くが第三者のいない状況で行われており,従業員Aらから被害の申告を受ける前の時点において,上告人が被上告人らのセクハラ行為及びこれによる従業員Aらの被害の事実を具体的に認識して警告や注意等を行い得る機会があったとはうかがわれないことからすれば,被上告人らが懲戒を受ける前の経緯について被上告人らに有利にしんしゃくし得る事情があるとはいえない。
(3) 以上によれば,被上告人らが過去に懲戒処分を受けたことがなく,被上告人らが受けた各出勤停止処分がその結果として相応の給与上の不利益を伴うものであったことなどを考慮したとしても,被上告人X1を出勤停止30日, 被上告人X2を出勤停止10日とした各出勤停止処分が本件各行為を懲戒事由とする懲戒処分として重きに失し,社会通念上相当性を欠くということはできない。
 したがって,上告人が被上告人らに対してした本件各行為を懲戒事由とする各出勤停止処分は,客観的に合理的な理由を欠き社会通念上相当であると認められない場合に当たるとはいえないから,上告人において懲戒権を濫用したものとはいえず,有効なものというべきである。」


【雑感】
・結論としては懲戒相当の事案でしょう。さすがに,2審は最近のトレンドであった使用者側の指導の有無を重視しすぎていると思われます。労働側としては,使用者側の落ち度を主張しにくくなるとの懸念があるかもしれませんが,この事案としては上司のセクハラがひどすぎるので,他の事案への波及効果はそれほどないと考えられます。


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by lawinfo | 2015-02-27 23:34 | 労働事件

厚労省マタハラ新通達

【厚生労働省新通達】
・厚生労働省が,平成27年1月23日,妊娠・出産、育児休業等を理由とする不利益取扱いに関する解釈通達(以下「マタハラ新通達」という)を発出しました。
URL:http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyoukintou/danjokintou/

・このマタハラ新通達は,【当ブログ】でも取り上げた,最高裁平成26年10月23日判決を受けたものです。

・事業者はこの新通達を熟知し,万が一でも問題だと指摘されないようにする必要があります。


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by lawinfo | 2015-02-21 23:56 | 時事ネタ

【貸金業者の対応】SFコーポレーションのその後⑤

【SFコーポレーションのその後⑤】
・破産管財人のHPが更新されています。それによると,SFコーポレーションはクレディアから和解金28億5000万円が約束どおり支払われ,配当見込みが立ったようです。
URL:http://sf-corp.jp/news/20150218.html

・関係がありそうな方はHPを参照してください。ただし,配当金額について,過度な期待はしない方がよいと思われます。


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by lawinfo | 2015-02-20 23:14 | 貸金業者の対応

【会社法】最高裁平成27年2月19日判決

【非上場会社と有利発行】
・最高裁平成27年2月19日第一小法廷判決
(事件番号:最高裁判所平成25年(受)第1080号・損害賠償請求事件)
URL:http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=84873


【事案の概要】
・かつら販売大手A社が上場前にIらに不当に安い価格で新株を発行するなどして会社に損害を与えたとして、株主がIら4人を相手に,約22億5000万円を会社に賠償するよう求めた事案。


【争点】
・非上場会社が株主以外の者に発行した新株の発行価額が商法280条ノ2第2項にいう「特ニ有利ナル発行価額」に当たるか。


【株価】
・平成12年5月時点で1株1万円程度,平成18年3月時点で1株(株式分割前)9000円程度の価値を有し,DCF法によれば平成16年3月時点の価値は1株7897円と算定された。本件新株発行の発行価額は1株1500円だった。


【判示事項】
「非上場会社の株価の算定については,簿価純資産法,時価純資産法,配当還元法,収益還元法,DCF法,類似会社比準法など様々な評価手法が存在しているのであって,どのような場合にどの評価手法を用いるべきかについて明確な判断基準が確立されているというわけではない。また,個々の評価手法においても,将来の収益,フリーキャッシュフロー等の予測値や,還元率,割引率等の数値,類似会社の範囲など,ある程度の幅のある判断要素が含まれていることが少なくない。
 株価の算定に関する上記のような状況に鑑みると,取締役会が,新株発行当時,客観的資料に基づく一応合理的な算定方法によって発行価額を決定していたにもかかわらず,裁判所が,事後的に,他の評価手法を用いたり,異なる予測値等を採用したりするなどして,改めて株価の算定を行った上,その算定結果と現実の発行価額とを比較して「特ニ有利ナル発行価額」に当たるか否かを判断するのは,取締役らの予測可能性を害することともなり,相当ではないというべきである。
 したがって,非上場会社が株主以外の者に新株を発行するに際し,客観的資料に基づく一応合理的な算定方法によって発行価額が決定されていたといえる場合には,その発行価額は,特別の事情のない限り,「特ニ有利ナル発行価額」には当たらないと解するのが相当である。」



【雑感】
・受験時代よく争点として取り上げられた問題でした。
 今後,司法試験の論文で取り上げられる可能性は十分あり,受験生は注意すべき判例でしょう。この判例を知らないと有利発行に当たるという受験生も多そうです。
・この判決によると,非上場会社で株主以外の者に新株を発行する場合はよっぽどのことがない限り,有利発行になることはなくなるでしょう。


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by lawinfo | 2015-02-19 23:17 | 最高裁

【行政訴訟】大阪地裁平成26年12月17日判決

【入れ墨アンケートと行政処分】
・大阪地裁平成26年12月17日第5民事部判決・中垣内健治裁判長
(事件番号:大阪地方裁判所平成25年(行ウ)第104号・処分取消等請求事件)
URL:http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail4?id=84844


【事案の概要】
・大阪交通局自動車部に所属し,バスの運転業務に従事していた原告が,被告大阪市が職員に対して組合・政治活動及び入れ墨に関する各アンケート調査を実施したことが違憲・違法であるとして,原告が入れ墨に関するアンケート調査への回答を拒否したことを理由とする戒告処分の取消し及び慰謝料の支払を求めて提訴したが,Aから同訴訟の取下げを要求され,これを拒否したところ自動車部運輸課に転任を命じられたとして,転任が裁量権の逸脱・濫用がある違法な処分であるとして,行政事件訴訟法30条に基づき,その取消しを求めるとともに,違法な転任命令により精神的損害を被ったとして,国家賠償法に基づき,損害賠償を求めた事案。


【判示事項】
「公務員が,自らが所属する行政機関から処分を受けたが,当該処分が不当であると考えた場合に,その処分の当否はさておき,当該処分の取消しを求めて提訴すること自体は憲法上保障された権利である。そうすると,本件転任命令は,原告が別件訴訟の提起・追行という憲法上保障された権利を行使したことを受けて,同訴訟を取り下げることを求めたが,原告がその求めに応じなかったことから,同訴訟を取り下げるまでは従前の業務に従事させないという,原告が同訴訟を提起したことの対抗措置としてとられたものであると評価するほかないが,そのような転任命令は,公務遂行上の必要性が全くなく,原告の裁判を受ける権利を侵害する不当な意図・目的によるものというほかない。
 したがって,その余の点について判断するまでもなく,本件転任命令には裁量権の逸脱・濫用があると認められ,違法であるから,本件取消請求は理由がある。」


【雑感】
・同日に同じ部で言い渡されたもう一つ戒告処分取消等請求事件【平成24(行ウ)第222号】は,判決書がいまいち煮え切らない書き方なので,わかりやすい方を紹介します。

・記載されていないいろいろな事情があると思うのでなんともいえませんが,訴訟提起に対する報復人事をしたとすれば,これはさすがに違法でしょう。


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by lawinfo | 2015-02-09 23:45 | 行政訴訟

【前科と死刑判断】最高裁平成27年2月3日決定

【裁判員裁判における前科と死刑判断】
・最高裁平成27年2月3日第二小法廷決定
(事件番号:最高裁判所平成25年(あ)第1127号・ 住居侵入,強盗殺人被告事件)
URL:http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=84840


【決定要旨】
「死刑が究極の刑罰であり,その適用は慎重に行われなければならないという観点及び公平性の確保の観点からすると,同様の観点で慎重な検討を行った結果である裁判例の集積から死刑の選択上考慮されるべき要素及び各要素に与えられた重みの程度・根拠を検討しておくこと,また,評議に際しては,その検討結果を裁判体の共通認識とし,それを出発点として議論することが不可欠である。このことは,裁判官のみで構成される合議体によって行われる裁判であろうと,裁判員の参加する合議体によって行われる裁判であろうと,変わるものではない
 そして,評議の中では,前記のような裁判例の集積から見いだされる考慮要素として,犯行の罪質,動機,計画性,態様殊に殺害の手段方法の執よう性・残虐性,結果の重大性殊に殺害された被害者の数,遺族の被害感情,社会的影響,犯人の年齢,前科,犯行後の情状等が取り上げられることとなろうが,結論を出すに当たっては,各要素に与えられた重みの程度・根拠を踏まえて,総合的な評価を行い,死刑を選択することが真にやむを得ないと認められるかどうかについて,前記の慎重に行われなければならないという観点及び公平性の確保の観点をも踏まえて議論を深める必要がある。
その上で,死刑の科刑が是認されるためには,死刑の選択をやむを得ないと認めた裁判体の判断の具体的,説得的な根拠が示される必要があり,控訴審は,第1審のこのような判断が合理的なものといえるか否かを審査すべきである。」


【千葉勝美判事補足意見】
「本件に即して言えば,例えば,短絡的な理由で2名の殺害に至って服役したにもかかわらず,再び短絡的な理由で1名の殺害に及んだという点から,ひとくくりにして「生命軽視の傾向あり」と評価することも理解できないではない。しかし,前科と今回の犯行との関連等の吟味が不十分なままこの点を死刑選択の重要な考慮要素として過度に強調するとすれば,死刑の選択の場面では疑問がある。仮に,前科と今回の犯行との関連が薄いにもかかわらず,生命軽視の傾向という被告人の危険性ばかりを強調する文脈で前科を死刑の選択に傾く重要な要素とするとすれば,犯罪行為それ自体に対する評価を中心に据えて死刑の是非を検討すべき場面において,行為者としての被告人の人格的な側面を過度に評価するものといわざるを得ず,これもまた疑問である。そもそも,本件前科は,夫婦間の感情的な対立や子供の将来を悲観しての犯行であり,そのきっかけ等をみても,本件犯行が強盗殺人という自己の利欲目的のものである点やその経緯との関連が薄く,非難の程度,生命侵害の危険性の程度の点でも,死刑選択の際の重要な要素として強調するには限界があるといわざるを得ないのである。」


【雑感】
・第1審裁判員裁判が死刑を選択した後,第2審裁判官裁判で死刑判決を破棄した2件の東京高裁判決(東京高裁平成23年(う)第1947号・同平成23年(う)第773号)の上告審決定の1つ。
・本件では裁判員裁判性が強調されていますが,職業裁判官の場合でも,前科があればその関連性をあまり考慮せずに,前科があるから今回もまた同じ理由で再犯したと,反省なしとみる傾向があることは疑いの余地はありません。
・本件は死刑事案だからより慎重にということですが,その他の場合でも前科の取り扱いでより関連性が要求されるようになったともいえ,下級審裁判官はこの点をしっかり考えて,「謎の量刑感覚」で判断することなくきちんとやってもらいたいものです。


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by lawinfo | 2015-02-06 23:13 | 最高裁

【優良誤認表示】京都地裁平成27年1月21日判決

【優良誤認表示】
・京都地裁平成27年1月21日第2民事部判決・橋詰均裁判長
(事件番号:京都地方裁判所平成26年(ワ)第116号・クロレラチラシ配付差止等請求事件)
URL:http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail4?id=84833


【事案の概要】
・適格消費者団体である原告が,医薬品としての承認を受けていない被告商品について,医薬品的な効能効果がある旨を示す又は示唆する表示は,一般消費者に対し,あたかも国により厳格に審査され承認を受けて製造販売されている医薬品であるとの誤認を引き起こすおそれがあるから,不当景品類及び不当表示防止法10条1項1号所定の優良誤認表示にあたるとして,差し止めを求めるとともに,当該表示の「停止若しくは予防に必要な措置」として広告を1回配布することを求めた事案


【主文】
「1 被告は,別紙1の1に記載の媒体において,同1の2に記載の内容を表示してはならない。
2 被告は,第三者をして,別紙1の1に記載の媒体において,同1の2に記載の内容を表示させてはならない。
3 被告は,別紙2に記載のとおりの広告を,別紙3に記載の条件で1回配布せよ。
4 訴訟費用は,被告の負担とする。」



【判示事項】
「わが国では,薬事法が制定された昭和35年以降,医薬品は厳格に規制され,国による厳格な審査を経て承認を得なければ製造販売することはできず,承認を受けていない医薬品は医薬品的な効能効果を表示することが刑罰をもって禁止されてきたのであるから,①医薬品的な効能効果を表示する商品があれば,当該商品が当該効能効果を有することについて国の厳格な審査を経た医薬品であり,②通常の事業者であれば,承認を受けた医薬品でない商品について医薬品的な効能効果を表示して販売しないであろうという社会通念が形成されているというべきである。
 そうすると,医薬品としての承認がされていない商品について,医薬品的な効能効果が表示されている場合,当該表示は,一般消費者に対し,当該商品があたかも国により厳格に審査され承認を受けて製造販売されている医薬品であるとの誤認を引き起こすおそれがあるから,優良誤認表示にあたると認めるのが相当である。
 そこで,次に,研究会チラシの表示内容は,医薬品的な効能効果があると表示するものかを検討する。
4 研究会チラシのうち,細胞壁破砕クロレラ粒等を服用したことにより,「腰部脊柱管狭窄症(お尻からつま先までの痛み,痺れ)」「肺気腫」「自律神経失調症・高血圧」「腰痛・坐骨神経痛」「糖尿病」「パーキンソン」病・便秘」「間質性肺炎」「関節リウマチ・貧血」「前立腺がん」等の症状が改善したとの体験談を記載した部分については,人の疾病を治療又は予防する効能効果があることを暗示するものであり,一般の消費者に対し,細胞壁破砕クロレラ粒等が医薬品であるとの誤認を引き起こすおそれがあるから,医薬品的な効能効果があると表示するものである。
 また,それ以外の記載,すなわち「薬効のある食品であること」や「病気と闘う免疫力を整える」「神経衰弱・自律神経失調症改善作用」等の効用があることを記載した部分についても,人の疾病の治療又は予防を目的とする効能効果があることや,単なる栄養補給や健康維持を超え,身体の組織機能の意図的な増強増進を主たる目的とする効能効果があることを標榜するものであることは明らかであり,一般の消費者に対し,細胞壁破砕クロレラ粒等が医薬品であるとの誤認を引き起こすおそれがあるから,医薬品的な効能効果があると表示するものである
5  以上のとおり,研究会チラシによる前記第1の5に掲記認定の説明は,医薬品としての承認を受けていない細胞壁破砕クロレラ粒等の被告商品につき,医薬品的な効能効果があると表示するものであり,一般の消費者に対し,細胞壁破砕クロレラ粒等の被告商品があたかも国により厳格に審査され承認を受けて製造販売されている医薬品であるとの誤認を引き起こすおそれがある
 また,上記のような表示は,商品の宣伝広告として社会一般に許容される誇張の限度を大きく踏み越えるものである。
 したがって,研究会チラシの説明は,景表法10条1号所定の「商品…の内容について,実際のもの…よりも著しく優良であると誤認される表示」として優良誤認表示にあたる。


【雑感】
・この部の部長の名前はよく目にします。とある著名事件の1審判決を書いた裁判官であり,私も実際にこの裁判官の判決をもらったことがあります。
・ただ,全体的に他の裁判官が通常しないちょっと変わった判断をするなという印象があります(※ただし,結論は私と同じです。結論は)。本件の結論はいいと思いますが,今後この事件がどうなるか楽しみではあります。


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by lawinfo | 2015-02-05 23:33 | 消費者問題