とある弁護士のひとりごと

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利息制限法所定の範囲内への利率変更に伴う取引の分断(充当合意の否認)

【争点がなくなりつつある業者の最新の主張】
・つい最近,オリエントコーポレーションから新しい主張をされました。
それは「利率の変更に伴う取引の分断」で,中断期間がなくても利息制限法所定の利率を超える利率による貸付けまでの取引と,利息制限法所定の利率の範囲内の取引とで中断期間がなくても,取引が分断され過払金について別個に計算されるべきというものです。


【論拠】
・この主張の根拠は,貸付けの利率という金銭消費貸借契約のうえで最も重要な契約要素を異にしていて,貸金業者は貸金業法の改正に伴い,貸付利率を下げたにもかかわらず,従前より取引を継続している債務者から債務の弁済を受けることにより,かえって自らの過払金が増大していくという結果を招かざるを得ないこととなり,結論が不当ということのようです。


【私見】
・まあ,オリコも本気とは思えない主張ですが,一応主張しているんだろうなという程度の主張です。
反論としては,①そもそも利率の変更は「契約内容」の変更ではなく,「契約条件の一部」の変更であり,契約としては同一の基本契約に基づく一つの取引であり,中断期間もない(完済していない)以上別個に過払金を計算する理由とはならない。
②仮に,利率の変更に伴い一応契約書を巻き直したとしても,それは形式的に契約書を作成したにすぎず,従前の基本契約の延長線上でなされたもので,最高裁平成20年1月18日第二小法廷判決が挙げる要素からしても,利率の変更前後の取引は事実上1個の連続した貸付取引であると簡単に反論しておけば足りるでしょう。


・この貸付け利率が利息制限法の範囲内になってからの取引については,近時,貸金業者から,悪意の受益者性を否定する新たな主張がなされています。

・こちらの方が重要だと思いますので,いずれ検討したいと思います。


※上記の意見・判決などの正確性等を保証するものではなく,お使いになる方の判断と責任で情報の取捨選択をお願いします。
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# by lawinfo | 2012-07-19 21:37 | 過払い訴訟論点