とある弁護士のひとりごと

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【最高裁】無担保・不動産担保一連性の最高裁初判断

・CFJ合同会社が不動産担保切替事案で高裁で敗訴し,上告受理申立てをした件で,平成24年6月8日,最高裁判所第三小法廷は以下の2事件について弁論を開く決定をしました。

・東京高裁平成22年9月28日第4民事部判決
(事件番号:東京高等裁判所平成22年(ネ)第977号)
 借主側代理人はクレサラ界の大御所東弁のN大先生
・広島高裁岡山支部平成24年1月19日判決
弁論期日は,平成24年7月31日午後1時30分です。


・今回問題となるのは,無担保取引と不動産担保取引の過払金を一連計算ができるか否かについてです。
両取引は形式的には契約形態が異なるものの,同日切替(または数日後の切替)でなされることが多く,契約の性質という形式的問題を重視するのは,当事者の合理的意思に反すると考えられます。
・しかし,借主側が控訴審で勝訴した件について,最高裁が弁論を開くということは最高裁が原審の判断を見直す可能性が極めて高いということです(※)。
そのため,8月終わりか9月には,最高裁は貸金業者側に有利な判断を言い渡すと予想されます。


【※民事訴訟法319条】
「上告裁判所は、上告状、上告理由書、答弁書その他の書類により、上告を理由がないと認めるときは、口頭弁論を経ないで、判決で、上告を棄却することができる。」

・この319条の反対解釈により,上告に理由があると判断したときは最高裁判所は弁論を開き,当事者の意見を聞く必要があります。ただ,最高裁が上告を棄却する場合でも,弁論を開く場合がごくごく稀にあります。

・そもそも最高裁は下級審とは異なり,書面審理が中心であるため,最高裁が口頭弁論を開くことはほとんどありません(民事事件に限っていうと,上告または上告受理申立ては年間約3500件程度なされていますが,最高裁が弁論を開くのは40件~60件程度で,確率としては1%から2%という非常に狭き門です。そのため,上告人代理人となり,弁論が開かれることは弁護士にとって「一生に一度のこと」と言われます…実際には何度も勝ち弁論をやっている先生はいるのですが)。

なお,刑事事件の死刑判決が予想される事案では,事件の性質上原審判決を維持する場合でも,最高裁は弁論を開くのが慣例です(人の命を奪う判決を書く死刑判決はそれくらい重要なものだということでしょう)。


※上記の意見・判決などの正確性等を保証するものではなく,お使いになる方の判断と責任で情報の取捨選択をお願いします。
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# by lawinfo | 2012-07-18 00:08 | 最高裁