とある弁護士のひとりごと

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【陳述書】最高裁平成29年3月31日決定

【陳述書の取り扱い】
・最高裁平成29年3月31日第一小法廷決定
(事件番号:最高裁判所平成28年(し)第639号・再審請求棄却決定に対する即時抗告の決定に対する特別抗告事件)
URL:http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=86660


【決定要旨】
「Aの証人尋問や請求人の本人尋問等を行わないまま,本件陳述書の信用性は相当に高いなどと評価し,本件陳述書等の新証拠を基にすると,Aの従前の供述や請求人の捜査官に対する自白は信用するに足りるものとはいえないと断定して,新証拠が請求人に対し無罪を言い渡すべき明らかな証拠に当たると判断した原審の手続には,新証拠の信用性,とりわけ本件陳述書の作成経緯・過程の吟味を怠った点において,審理不尽の違法があるといわざるを得ない。本件確定裁判において認定された犯罪事実に係る上記2(1)の証拠関係に鑑みれば,その違法が決定に影響を及ぼすことは明らかであり,原決定を取り消さなければ著しく正義に反するというべきである。」


【雑感】
・確かに,原審が原々審の判断を逆転させる以上,証人尋問くらいするよなぁとは思います。特に,メインの証拠が陳述書である以上,その必要性は一層高いといえます。
 逆にいえば,原々審がこのような重要な事実が出てきたにもかかわらず,尋問もせずに再審を否定しているのはもっとおかしいです。おそらく,事案軽微なので,適当にあしらったんでしょう。

・ただ,本件は陳述書だけではなく,陳述書に合致する一応の証拠(離婚調書)があり,最高裁自体が「再審請求は,理由がある」とまで明確に言い切っている(2頁)のに,わざわざ破棄差戻をする必要があったのかなとの疑問はあります。このために,差戻審でまたかなりの時間がかかるため,無罪判決まで相当な時間を費やすことになります。

・最高裁から,「いかにも唐突で不自然な感を免れない」「裏付けのないままではたやすく信用し難い」と突っ込まれているように,究極的には,この陳述書を書いた人間の責任が大きいといえるでしょう。


※上記の意見・情報などの正確性等を保証するものではなく,お使いになる方の判断と責任で情報の取捨選択をお願いします。

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# by lawinfo | 2017-04-04 23:53 | 刑事事件