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【プロミス債権譲渡事案】
・このブログで何度もとり上げた「プロミスの債権譲渡事案」についてです。 ・最高裁平成24年6月29日判決にはどうしても納得できず,事案の違いを主張して争っています。 ・最高裁平成24年2月3日上告受理決定及び弁論指定決定,最高裁第二小法廷は,平成24年2月3日,債権譲渡事案(平成23年(受)第1941号)において,借主側が敗訴した高裁判決に対し,借主側が上告受理申立てをした件で,同年3月30日に弁論を開く決定をしました。その後,同事件でプロミスは上告人の請求を認諾するとの答弁書を提出し,同日の弁論は認諾の効果を認め,終結しました。 ・次に,最高裁第二小法廷は,平成24年6月29日債権譲渡事案でプロミス勝訴の判決を言い渡しました(平成24年(受)第539号)。 したがって,最高裁は同一小法廷で2つの最高裁の判断が存在します。 ・最高裁第二小法廷2つの判断の整合性 この点,最高裁第二小法廷が1941号事件から数か月後に判断を変えたとする考えもありえますが,最高裁は調査官室で同一事案をきちんと調査して事案を分析しながら判決を言い渡すのが通例ですから,このようなわずかな期間で判断を変えたという評価は現実的ではなく,法的安定性を著しく害するといえます。 とすれば,1941号事件と539号事件は事案が異なるというべきであり,539号事件では借主が弁済以外何ら行為を行っていないことは最高裁の判決文から明らかであるから,弁済以外の行為を行っている事案については1941号事件同様,受益の意思表示を行ったと最高裁が認定する可能性は十分あると考えてきました。 ・以上のように考え,SMBCコンシューマーファイナンス株式会社とプロミス債権譲渡最高裁判決後も争ってきました。 その中で,この債権譲渡事案について,SMBCの代理人からいくつかの点について回答があったのでご紹介します。 1941号事件では,債権譲渡後基本契約を締結した事実はない(つまり,「申込書(店頭用)」は提出されていない)。539号事件では,債権譲渡後基本契約が締結された(つまり,プロミスに申込書が提出されている。ただし,この事実が法廷に顕出されたかどうかは不明。判決文を見る限り顕出されていないように見える)。 こうなると,私がこれまで述べていた債権譲渡後の申込書を受益の意思表示とみる説は成り立たなくなります。 ・では,結局上記2つの事件をどう整合的に説明するかが問題となります。 ①そもそも,1941号事件では弁論を開いただけで判決になればプロミス勝訴だった。 ②よくよく見てみると,1941号事件の弁論指定決定をした最高裁判事と539号事件の判決を書いた最高裁判事は一人だけ異なっています。 この間に退官したのが検察官出身の古田佑紀裁判官,その後平成24年4月11日に新しく入ったのが同じく検察官出身の小貫芳信裁判官。 この最高裁判事の構成の変更により多数決が異なり,結論が異なったとすれば合理的に説明できます。 ただ,いくらなんでもこの短期間に結論が180度変わるのは法的安定性を著しく害するとしかいえません(最高裁としては,1941号事件は判決ではないから,法的安定性を害することはないというんでしょうけど)。 ※上記の意見・判決などの正確性等を保証するものではなく,お使いになる方の判断で情報の取捨選択をお願いします。
by lawinfo
| 2012-09-24 22:48
| 過払い訴訟論点
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