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【時効により消滅した債権を自働債権とする相殺※】
・最高裁平成25年2月28日第一小法廷判決 (事件番号:最高裁判所平成23年(受)第2094号・根抵当権設定登記抹消登記手続請求本訴,貸金請求反訴事件) URL:http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?hanreiid=83023&hanreiKbn=02 【※民法508条】 「時効によって消滅した債権がその消滅以前に相殺に適するようになっていた場合には、その債権者は、相殺をすることができる。」 【事案の概要】 ・本件の本訴請求は,借主が,自己の所有する不動産に設定した根抵当権について,その被担保債権である貸付金債権が相殺等により消滅したとして,貸主に対し,所有権に基づき,根抵当権設定登記の抹消登記手続を求めるものであり,反訴請求は,貸主が,借主に対し,上記貸付金の残元金27万6507円及びこれに対する遅延損害金の支払を求めるものである。借主による上記相殺につき,被貸主は自働債権の時効消滅以前に相殺適状にあったから民法508条によりその相殺の効力が認められると主張するのに対し,貸主は同相殺が無効であると主張して上告受理申立てをした事案。 【判示事項】 「民法505条1項は,相殺適状につき,「双方の債務が弁済期にあるとき」と規定しているのであるから,その文理に照らせば,自働債権のみならず受働債権についても,弁済期が現実に到来していることが相殺の要件とされていると解される。 また,受働債権の債務者がいつでも期限の利益を放棄することができることを理由に両債権が相殺適状にあると解することは,上記債務者が既に享受した期限の利益を自ら遡及的に消滅させることとなって,相当でない。したがって,既に弁済期にある自働債権と弁済期の定めのある受働債権とが相殺適状にあるというためには,受働債権につき,期限の利益を放棄することができるというだけではなく,期限の利益の放棄又は喪失等により,その弁済期が現実に到来していることを要するというべきである。」 【ひとりごと】 ・「平成15年1月6日,Aを吸収合併する旨の登記を完了して,被上告人に対する貸主の地位を承継した。」との記載があることから,上告人の貸主はCFJ合同会社でしょうね。 ・この原審札幌高裁平成23年7月8日判決(札幌高等裁判所平成22年(ネ)第592号)は,全国でもかなり特異な判決だったので,逆転しても仕方ないでしょう。 ※上記の判決・情報などの正確性等を保証するものではなく,お使いになる方の判断と責任で情報の取捨選択をお願いします。
by lawinfo
| 2013-02-28 23:22
| 最高裁
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