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【裁判員裁判高裁無罪破棄事件に対する最高裁決定】
・最高裁平成25年4月16日第三小法廷決定 (事件番号:最高裁判所平成24年(あ)第167号・覚せい剤取締法違反,関税法違反被告事件) URL:http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?hanreiid=83198&hanreiKbn=02 【事件経過】 ・1審裁判員裁判:無罪 ・2審裁判官裁判:逆転有罪 ・最高裁:被告人の上告棄却 【最高裁判示事項】 「被告人が犯罪組織関係者の指示を受けて日本に入国し,覚せい剤が隠匿された輸入貨物を受け取ったという本件において,被告人は,輸入貨物に覚せい剤が隠匿されている可能性を認識しながら,犯罪組織関係者から輸入貨物の受取を依頼され,これを引き受け,覚せい剤輸入における重要な行為をして,これに加担することになったということができるのであるから,犯罪組織関係者と共同して覚せい剤を輸入するという意思を暗黙のうちに通じ合っていたものと推認されるのであって,特段の事情がない限り,覚せい剤輸入の故意だけでなく共謀をも認定するのが相当である。原判決は,これと同旨を具体的に述べて暗黙の了解を推認した上,本件においては,上記の趣旨での特段の事情が認められず,むしろ覚せい剤輸入についての暗黙の了解があったことを裏付けるような両者の信頼関係に係る事情がみられるにもかかわらず,第1審判決が共謀の成立を否定したのは不合理であると判断したもので,その判断は正当として是認できる」 【雑感】 ・「共謀」という法律概念を裁判員が理解できるかが問題となった事案です。 ・裁判員裁判の1審無罪判決に対する高裁逆転有罪判決を最高裁として初めて是認した事件です。 最高裁としても,近時の覚せい剤事案に裁判員裁判の無罪判決が多く出ていることから,一定のはどめをかけようとしたのではないかと思います。 ・この最高裁決定により,裁判員裁判を担当する1審裁判官としては無罪判決を出すと結局破棄され,自分の出世にかかわりかねないことを危惧して今後裁判員を強引に説得して無罪判決を出さないようにする強引な訴訟指揮が懸念されます(最高裁としてはこれが事実上の狙いかもしれませんが…)。 ※上記の判決・意見などの正確性等を保証するものではなく,お使いになる方の判断と責任で情報の取捨選択をお願いします。
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| 2013-04-18 23:52
| 刑事事件
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