とある弁護士のひとりごと

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【津波被害と損害賠償①】仙台地裁平成25年9月17日判決

【津波被害と損害賠償①】
・仙台地裁平成25年9月17日第1民事部判決・齊木教朗裁判長
(事件番号:仙台地方裁判所平成23年(ワ)1274号・損害賠償請求事件)
URL:http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?hanreiid=83577&hanreiKbn=04


【事案の概要】
・東日本大震災による津波に流されて,幼稚園の送迎バスが横転し,その後に発生した火災にも巻き込まれた子供の親が,子供らが死亡したのは,地震発生当時の幼稚園の園長らが津波に関する情報収集を懈怠し,送迎バスの出発や避難に係る指示・判断を誤ったことなどによるものである旨主張して,幼稚園の運営会社と園長に対し,安全配慮義務違反の債務不履行又は民法715条1項の不法行為による損害賠償請求をした事案。


【判示事項】
「眼下に海が間近に見える高台に位置する本件幼稚園Cに勤める被告B2園長としては,午後3時2分過ぎ頃に本件小さいバスを高台から出発させるに当たり,たとえ本件地震発生時までにはいわゆる千年に一度の巨大地震の発生を予想し得なかったとしても,約3分間にわたって続いた最大震度6弱の巨大地震を実際に体感したのであるから,本件小さいバスを海沿いの低地帯に向けて発車させて走行させれば,その途中で津波により被災する危険性があることを考慮し,ラジオ放送(ラジカセと予備の乾電池は職員室にあった。)によりどこが震源地であって,津波警報が発令されているかどうかなどの情報を積極的に収集し,サイレン音の後に繰り返される防災行政無線の放送内容にもよく耳を傾けてその内容を正確に把握すべき注意義務があったというべきである
 そうであるのに,被告B2園長は,巨大地震の発生を体感した後にも津波の発生を心配せず,ラジオや防災行政無線により津波警報等の情報を積極的に収集しようともせず,保護者らに対する日頃の送迎ルートの説明に反して,本来は海側ルートへ行くはずのない本件小さいバスの3便目の陸側ルートを送迎される本件被災園児ら5名を2便目の海側ルートを送迎する同バスに同乗させ,海岸堤防から約200ないし600mの範囲内付近に広がる標高0ないし3m程度の低地帯である門脇町・南浜町地区に向けて同バスを高台から発車させるよう指示したというのであるから,被告B2園長には情報収集義務の懈怠があったというべきである。」


【雑感】
・判決言い渡しからわずか3日での最高裁HPへの掲載。社会的に注目を集めただけに,最高裁としてもすぐに判決の送付を依頼したのでしょうか。
・経験したこともない揺れなどで動揺していたこともあると思われることから,この判決に対しいろいろ考えさせられるところです。


※上記の意見・情報などの正確性等を保証するものではなく,お使いになる方の判断で情報の取捨選択をお願いします。
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by lawinfo | 2013-09-20 23:26 | 時事ネタ
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