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【警察官による暴行肯定】
・大阪地裁平成26年11月28日第12民事部判決・古谷恭一郎裁判長 (事件番号:大阪地方裁判所平成23年(ワ)第8452・損害賠償請求事件) URL:http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail4?id=84716 【事案の概要】 ・野宿生活をしていた原告が,平成22年11月16日,自転車でアルミ空缶を運搬していたところ,原告に対し職務質問を行おうとした大阪府甲警察署の警察官が,同人が乗っていた地域活動用単車を原告の自転車に幅寄せするなどして原告を路上に転倒させ,更に,これに抗議した原告に対し,原告の肩を両手で掴んで投げ飛ばす等の暴行を加え,原告に入院加療約3か月を要する右脛骨膝関節内骨折,肋骨骨折等の傷害を負わせたと主張して,甲警察署を設置する被告に対し,国家賠償法1条1項に基づき,損害賠償及び遅延損害金の支払を求めた事案。 【判示事項】 「この点につき,被告は,本件暴行行為の存在を否認した上で,A警察官の原告に対する有形力の行使は,現行犯人である原告を逮捕することに伴うものである旨主張するので,この点につき検討する。 被告は,原告が,A警察官に近づき,左手でA警察官の右肩付近を1度突き,右手を振り上げて殴りかかろうとし,更に,A警察官の胸ぐらをつかんできたため,A警察官は,原告を公務執行妨害罪の現行犯人と認め,左手で原告が振り上げた右手をつかみ,右手で原告の左手をつかんだ際に,原告がA警察官につかまれた手を振りほどこうとして暴れたため,原告の背中に自身の右手を回し,原告の体を自身の方に引き寄せたところ,後方に転倒しそうになったため,体を左にねじり,左に回転しながら,原告が下に,A警察官が上になって路上に転倒し,その後,A警察官は原告を公務執行妨害罪の現行犯人として逮捕したものであるから,A警察官の逮捕行為は正当な職務行為であり,違法な公権力の行使は存在しない旨主張し,これに沿う証拠として,現行犯人逮捕手続書(甲7),A警察官の陳述書(乙6),B警察官の陳述書(乙7),A証人及びB証人の各証言がある。 イ しかしながら,A警察官及びB警察官の各供述における原告の転倒態様に関する内容は,信用性の高いC鑑定意見と整合せず,原告の転倒態様に関する内容は本件事件の核心部分であることからすれば,A警察官及びB警察官の各供述は全体として信用することができない。 ウ また,現行犯人逮捕手続書は,通常,逮捕行為後直ちに作成されるものであり,A警察官も,本件事件後,甲警察署に戻り逮捕手続書を作成した旨証言しているところ(A証人27頁),原告を現行犯人として逮捕したことを証する現行犯人逮捕手続書(甲7)においては,逮捕の年月は「平成22年12月11日」と印字され,その上に「平成22年11月16日」と手書きで訂正されていることが認められ,このことからは,同手続書が本件事件発生後直ちに作成されたものではないことが窺われる。また,A警察官の証言によれば,A警察官は,原告が甲警察署からF病院に治療に向かう際に同行していないにもかかわらず(A証人14頁),前記手続書には,A警察官がF病院において他の甲警察署の司法警察員に対し原告を引き渡した旨記載されており,前記手続書には明らかに事実と異なる内容が記載されている。以上からすると,現行犯人逮捕手続書(甲7)は信用性に乏しいと言わざるを得ない。 エ 以上からすれば,A警察官及びB警察官の各供述は信用することができず,現行犯人逮捕手続書(甲7)の記載内容も信用できないことから,(2)ア記載の各証拠をもって,前記第3の1の認定を覆すに足りず,他にこの認定を左右するに足りる証拠はない。したがって,原告によるA警察官に対する暴行は認められず,公務執行妨害罪の成立要件が充足される余地はないから,公務執行妨害罪の成立可能性を前提とする被告の正当行為の主張は認められない。」 【雑感】 ・一部とはいえ,警察官による暴行を裁判所が認めた事案。 こういう案件はきちんと国民に知らしめる必要があるので,取り上げていきます。 ・最高裁が警察署名を伏せる必要はないでしょう。公務員がおかしなことをやったんだから,きちんと公表すべきです。
by lawinfo
| 2014-12-26 23:52
| 損害賠償請求
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