とある弁護士のひとりごと

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【無罪判決】大阪高裁平成27年2月13日判決

【高裁破棄無罪判決】
・大阪高裁平成27年2月13日第6刑事部判決・笹野明義裁判長
(事件番号:大阪高等裁判所平成26年(う)第980号・強制わいせつ致傷被告事件)
URL:http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail4?id=84952


【公訴事実】
「被告人は,平成25年6月3日午前1時頃から同日午前1時36分頃までの間,京都市a区b町c番地d所在のカウンターバー「C」店内において,Aに対し,強いてわいせつな行為をしようと企て,「われ,ただで済むと思うなよ。分かってんのか。われ,承知せえへんぞ。」などと語気鋭く申し向け,両手で同女の両肩をつかんでその身体を揺さぶるなどした上,両手で同女の身体を床に押し倒して,仰向けになった同女の両肩を床に押さえつけ,さらに,同女が履いていたタイツ及びショーツを脱がせるなどの暴行を加え,左手で着衣の上から同女の乳房を揉むとともに,その陰部を手指で弄ぶなどし,もって強いてわいせつな行為をし,その際,前記一連の暴行により,同女に約1週間の通院加療を要する右下腿打撲傷,右大腿打撲傷の傷害を負わせた」


【主文】
「原判決を破棄する。
 被告人は無罪。」


【判示事項】
「Aの原審証言の信用性を認めた理由のうち,掌紋と整合するとの点は明らかに前提事実を誤ったものであり,それを踏まえて,改めてAの原審証言の信用性に関して原判決が説示する点を検討すると,そもそもAの原審証言には,核心部分等に種々問題があり,それ自体全面的に信用できるようなものではなく,原判決が動かし難いとした事実やその事実から推認した内容にも疑問があり,Bの原審証言や負傷状況との整合性がAの原審証言を補強する力はさほど強いものではなく,また,Aに虚偽申告の動機がおよそないとまでいえない。そうすると,認定の核となるべきAの原審証言の核心部分が信用できないことに帰するのであるから,Aから相談を受けた者の証言がAの一部証言と整合することや,Aがその証言と矛盾しない傷を負っていることがあったとしても,原判示の事実の限度とはいえAの原審証言の信用性を認め,原判示の事実について合理的疑いを容れない程度の立証がされているとした原判決は,論理則,経験則等に照らして不合理というほかない。」


【雑感】
・この判決を書いた部長は京都地裁時代に,自ら書いた判決(京都府舞鶴女子高生殺害事件)について,目撃証言の信用性の点で大阪高裁に逆転無罪にされた経験を有するようです。
・その後,ご自身が大阪高裁の部長になると,本件で京都地裁の被害者証言の信用性の点で逆転無罪にしているところからすると,証言の信用性を厳しく判断されるようになったのかもしれませんね(影響があるかはわかりませんが)。


※上記の意見・情報などの正確性等を保証するものではなく,お使いになる方の判断と責任で情報の取捨選択をお願いします。
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by lawinfo | 2015-03-20 23:38 | 刑事事件
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