とある弁護士のひとりごと

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【保釈】最高裁平成27年4月15日決定

【保釈と具体的理由】
・最高裁平成27年4月15日第三小法廷決定
(事件番号:最高裁判所平成27年(し)第223号・保釈許可決定に対する抗告の決定に対する特別抗告事件)
URL:http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=85051


【事案の概要】
・予備校理事長が予備校内にある接骨院内で,18歳の予備校生に強制わいせつをした。公判では,被告人は完全に否認し,第2回公判期日で被害者尋問が行われた。地裁は第2回公判期日後に,被告人の保釈を認めたが,名古屋高裁金沢支部は保釈決定を取り消した。被告人側が最高裁に特別抗告した。


【決定要旨】
「原々審が原審に送付した意見書によれば,原々審は,既に検察官立証の中核となる被害者の証人尋問が終了していることに加え,受訴裁判所として,当該証人尋問を含む審理を現に担当した結果を踏まえて,被告人による罪証隠滅行為の可能性,実効性の程度を具体的に考慮した上で,現時点では,上記元生徒らとの通謀の点も含め,被告人による罪証隠滅のおそれはそれほど高度のものとはいえないと判断したものである。それに加えて,被告人を保釈する必要性や,被告人に前科がないこと,逃亡のおそれが高いとはいえないことなども勘案し,上記の条件を付した上で裁量保釈を許可した原々審の判断は不合理なものとはいえず,原決定は,原々審の判断が不合理であることを具体的に示していない。そうすると,原々決定を裁量の範囲を超えたものとして取り消し,保釈請求を却下した原決定には,刑訴法90条,426条の解釈適用を誤った違法があり,これが決定に影響を及ぼし,原決定を取り消さなければ著しく正義に反するものと認められる。」


【雑感】
・これは弁護人にとって非常に大きい決定です。わりと大きな否認事件で最高裁が保釈を認めない高裁の決定を破棄したことから,今後実務で保釈率があがっていくと思われます。
・特にこの件は,従来からすれば保釈は認められない事案でしょうから,最高裁が立て続けに保釈を認めない高裁決定を取り消したのは,保釈実務へのメッセージがあるということだと思われます。


※上記の意見・情報などの正確性等を保証するものではなく,お使いになる方の判断と責任で情報の取捨選択をお願いします。
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by lawinfo | 2015-04-20 23:47 | 刑事事件
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